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水川隆夫著
四六判 198ページ
定価：1600円＋税
ISBN978-4-89259-817-3 |
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明治と共に生き、明治という時代がもたらした成果と問題点、日本の近代化の光と影を、深く豊かに表現した文豪漱石。その小説を読みながら、美化や偽造に陥ることなく、リアルな「明治」像を彫像する。
はじめに
I 漱石と明治日本の出発
維新の志士と明治の元勲と
西郷隆盛と「正成論」
「観菊花偶記」と華族令
大日本帝国憲法発布のころ
帝国大学令とホイットマン論
軍隊式教育批判と徴兵忌避
貧富の格差と拝金主義
漱石とロンドンの巡査 ─「自転車日記」を中心に─
II 漱石と日露戦中・戦後
『吾輩は猫である』と警視庁の探偵
『吾輩は猫である』と実業家の探偵
『吾輩は猫である』の世界 ─型破りな発想 落語から─
漱石の厭戦小説 ─『猫』「幻影の盾」「趣味の遺伝」─
漱石と『破戒』─評価と衝撃─
「草枕」と探偵
「二百十日」の世界 ─「文明の革命」を求めて─
「二百十日」と落語
「野分」と探偵
『三四郎』と戦争
漱石の姦通小説 ─『それから』の場合─
『満韓ところどころ』の再検討
漱石と伊藤博文暗殺
漱石と広瀬中佐
『門』の中の京都
III 漱石と明治の終焉
明治天皇の死と漱石
『こゝろ』─「明治の精神」と先生没後の私─
わが作品を語る ─『夏目漱石「こゝろ」を読みなおす』─
漱石の“戦争観”に学ぶ
「私の個人主義」と「個人の尊重」
IV 日本近代文学と明治 ─小説四篇を通して─
泉鏡花「海城発電」 ─排外的ナショナリズムの野蛮─
川上眉山『大村少尉』 ─日清戦争の悲劇─
高浜虚子『朝鮮』 ─作者の「主観」を越える「写生」の成功─
芥川龍之介「金将軍」 ─朝鮮侵略と歴史の粉飾─
関連年表
初出一覧
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