ホームへ既刊案内へ近刊案内へ著者集・シリーズへ自費出版ガイドへ本のご注文へお問い合せへ  
 
美富子の部屋へ
 

図書出版 文理閣
   周辺地図のページへ

〒600-8146
京都市下京区七条河原町西南角
TEL.075-351-7553
FAX.075-351-7560
http ://www.bunrikaku.com

   
 

マルクス社会主義論の批判的研究

 
 
マルクス社会主義論の批判的研究

荒木武司 著

A5判 380ページ
定価:4000円+税
ISBN978-4-89259-815-9

 

20世紀社会主義の歴史はマルクスの非市場性社会主義構想からの離脱の歴史であった。マルクスの人間観、組織論、社会主義論、革命論の批判的検討をつうじ、現代資本主義を超える実現可能な「社会主義」を展望する。

第一部 マルクス社会主義論の批判的再考
第一章 「実現可能な社会主義」について考える
はじめに
I 「マルクス社会主義」論の批判的再考
II 「民主主義的社会主義」へ向けて―現代民主主義論との交錯
III 「社会主義市場経済」へ向けて―「互恵的」市場論の考察
第二章 マルクスの「社会主義」と「官僚制」
――技術・分業・組織の構造的連関――
はじめに
I 唯物史観の形成と「プロレタリアート独裁」論
 一 唯物史観の形成と近代プロレタリアートの発見
 二 「プロレタリアート独裁」と「過渡期」論
II アナーキズムおよびM・ウェーバーによる問題提起
 一 アナーキストの問題提起――反国家・反権威主義
 二 M・ウェーバーの問題提起――近代官僚制の必然性
III 技術・分業・組織の構造的連関と官僚制
 一 技術・分業・組織の構造的連関
 二 マルクスの「社会主義」論と「科学性」
おわりに
第三章 アソシエイションとマルクス
第一節 アソシエイションとは
第二節 前社会主義的アソシエイションおよびトクヴィルとルソー
 一 近代市民社会の形成と前社会主義的アソシエイション
 二 トクヴィルとルソーにおけるアソシエイション――個人と国家の媒介項
第三節 初期社会主義者のアソシエイション論
 一 サン・シモン主義と「普遍的アソシアシオン」
 二 P・ビュシェと「アトリエ」派による協同組合運動
 三 オウエン主義とロッチデール型協同組合運動
第四節 マルクスとアソシエイション論
 一 アソシエイションと弁証法的三段階論のシェーマ
 二 マルクス「社会主義」における非商品生産・非市場論
小括
第四章 マルクスにおける「人間本性」の把握について
――「利己性」と「利他性」をめぐって――
はじめに
I マルクスにおける「人間本性」の把握
II 進化生物学における「自然選択」の論理と「利己性」・「利他性」
 第一節 ダーウィン「進化論」と「自然選択」の論理
 第二節 「利己性」に基礎をおく「利他性」の三つのステージ
III 自然選択と市場システムおよびスミス「利己心」の体系
 第一節 自然選択の原理と市場システムの「相似性」
 第二節 スミスの「自然的自由」の体系と「利己心」
おわりに
第五章 後期マルクスにおける革命戦略の転換〈1〉
はじめに
I 「永続革命」論から多数者革命戦略への転換
II マルクス・エンゲルスにおける「労農同盟」戦略の発展
 (1)一八四八年革命前後におけるマルクス・エンゲルスの農民論
 (2)第一インターナショナル期における小農論
 (3)ドイツ社会民主党の農業綱領論争とエンゲルスの「労農同盟」論
III マルクスの「協同組合」論と現代革命戦略への転換
 (1)四八年革命から五〇年代のマルクスの「協同組合」論
 (2)六四年『宣言』段階における「協同組合」化戦略
 (3)マルクスその後――現代革命戦略への胎動と挫折
おわりに
第六章 後期マルクスにおける革命戦略の転換〈2〉
――平和的革命戦略への転換と民主主義――
はじめに
I マルクスとエンゲルスにおける平和的革命戦略への転換
 (1)マルクス・エンゲルスにおける平和的革命戦略への転換と模索
 (2)エンゲルス“政治的遺書”における平和的革命戦略
 (3)エンゲルスにおける転換への最後の挑戦
II エンゲルス『序文』における平和的革命戦略の歴史的位相
 (1)一九一七年ロシア一〇月革命におけるレーニンの「平和革命論」
 (2)後期マルクス・エンゲルスの平和的革命戦略
 (3)現代の先進的多数者革命戦略の探索
III 〈附論〉ベルンシュタインの改良主義戦略と民主主義論
第二部 補 論
補論I 中国社会主義について
第一章 中国における「四つの近代化」と「民主と法制」
――転換期中国社会主義の基本課題について――
I
II
III
IV
第二章 中国における「小共同体」企業と「単位体制」社会
――経済改革・民主運動を規定する基礎過程の考察――
一 はじめに
二 中国経済改革現局面の諸現象・諸問題
 (1)物価・インフレ問題と消費需要膨張のメカニズム
 (2)住宅問題と「集団投資」・「引合い競争」メカニズム
 (3)「倒爺」「官倒」と「官本位」現象・封建的「家父長制」
三 「小共同体」企業と「単位体制」社会
 (1)中国経済改革・「供給制」・企業の「家族化」
 (2)「万能型」・「多元型」企業と企業「小共同体」的構造
 (3)「単位体制」社会と中国社会主義
四 おわりに
第三章 中国社会主義の「社会体制」規定について
――中国は資本主義か社会主義か?――
はじめに
I 中国=「国家資本主義」論の二つの特徴
 1、市場経済=資本主義という論理
 2、「伝統的社会主義」に対する幻想と固定観念
II コルナイの「体制移行」の三つの基準
III 中国の政治経済体制と「国家社会主義」の現実
 1、中国における人民民主主義独裁(=プロレタリア独裁)の体制
 2、中国における国有企業および準国有企業の比重と位置
おわりに
補論II 宗教・国家・貨幣
第一章 宗教・国家・貨幣――哲学の批判・政治学の批判から経済学批判へ――
I
II
III
IV
第二章 市民社会と国家――宗教・国家・貨幣(U)――
I
II
III
 (1)宗教的国家と政治的国家・政治的解放の関係
 (2)政治的国家と市民社会、公民(citoyen)と私人(bourgeois)への分裂
 (3)政治的国家における疎外の構造と人間的解放の論理
第三章 貨幣体――宗教・国家・貨幣(V)――
I
II
III
 1 私的所有者の利己心と交換
 2 交換の背後にある価値=貨幣関係
 3 社会的交通の特殊な形態としての貨幣による交換
 4 「社会的交通の疎外態」としての貨幣
 5 近代市民的交通のポジティブな側面
 6 統合の実在的形態・深化した疎外態としての貨幣
あとがき
人名索引