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社会哲学と経済学批判 知のクロスオーバー

 
 

社会哲学と経済学批判

角田修一 著

A5判上製 474ページ
定価:本体3800円+税
ISBN978-4-89259-772-5

 

自由主義から民主主義へ進んだマルクスの思想と科学は、民主主義を資本制経済の批判の基礎に置くわれわれのなかに生きている。本書は、ヘーゲルからマルクスへの社会哲学の批判的継承関係をベースに、いくつかのジャンルを越えて融合することにより、マルクス経済学理論の社会哲学的基礎と現代経済学の可能性を明らかにする。

第一篇 社会哲学――自己意識の哲学から社会的意識諸形態の理論へ
第一章 自己意識の哲学と自由主義思想――マルクス「学位論文」の哲学と思想
はじめに――課題設定
一 エピクロスの哲学とヘーゲル「哲学史」
二 「学位論文」におけるエピクロスの原子論
三 エピクロス哲学の原理――自己意識の絶対性と自由
四 自己意識の哲学と自由主義思想――諸説の検討
五 観念論と唯物論――むすびにかえて
第二章 「具体的普遍」としての近代市民社会批判――「ヘーゲル国法論批判」
一 近代市民社会と国家にたいする批判
二 ヘーゲルの近代市民社会批判
(1)ヘーゲル哲学体系における社会哲学の位置
(2)ヘーゲル精神哲学における主観的精神と客観的精神
(3)「法の哲学」の概要
(4)近代市民社会の批判
三 ヘーゲルからマルクスへ
(1)学位論文からヘーゲル法哲学批判へ
(2)「ライン新聞」時代のマルクス
(3)「ヘーゲル国法論批判」ノート(一八四三年夏)
(4)マルクスによる近代市民社会批判
四 まとめと課題――自由主義から民主主義へ
第三章 マルクスから現代社会哲学へ――マルクス、ロールズ、そしてサンデル
はじめに
一 マルクスの社会哲学
二 ロールズの現代リベラリズム
三 サンデルの共和主義政治哲学
まとめ
第二篇 社会的意識とイデオロギーの理論――ポスト・マルクス
第四章 経済過程と意識およびイデオロギー
一 問題設定
二 『資本論』第三部における生産関係の物象化と当事者の意識的行為
三 経済過程における意識と社会的意識諸形態
四 「自由な労働者」の自覚
まとめにかえて
第五章 経済過程と意識およびイデオロギー――ポスト・マルクス(その一)
はじめに
一 メーリング「史的唯物論」における意識論
二 プレハーノフにおける意識とイデオロギーの理論
三 ブハーリン「史的唯物論」における意識と行為の理論
第六章 経済過程と意識およびイデオロギー――ポスト・マルクス(その二)
一 ルカーチ「物化」論における意識とイデオロギー
二 コルシュの意識=精神的生活過程の現実性論
三 グラムシ「実践の哲学」における意識とイデオロギー
まとめにかえて
第七章 三木清における意識とイデオロギーの哲学
一 基礎経験―ロゴス―イデオロギー
二 人間学のマルクス的形態としての唯物史観
三 唯物論と意識、理論と実践
四 イデオロギー
五 普遍と特殊の弁証法と有機体説批判
六 三木の警句
第八章 丸山眞男のラディカル・デモクラシーと思想史研究の方法
一 丸山眞男という人
二 丸山眞男研究の一端
三 思想的立場――ラディカル・デモクラシー
四 丸山における思想史研究の方法――その全体像を理解するための五つのポイント
五 ポスト・マルクス派としての丸山眞男
六 近代主義、民主主義、社会主義
七 丸山が残したもの
第三篇 経済学批判の方法
第九章 分析的方法を基礎とする弁証法的方法――ヘーゲル、マルクス、見田石介
はじめに
一 拙著『「資本」の方法とヘーゲル論理学』の要旨と立場
二 ヘーゲル論理学における分析的方法と弁証法的方法
三 マルクスの概念的把握の方法における分析的方法の位置づけ
四 見田石介における分析的方法を基礎とする弁証法的方法
五 概念規定と形態規定の問題点
第一〇章 メンガーとマルクスにおける方法の差異――二人のカール
はじめに
一 メンガーが提起した社会科学の方法問題
二 資本論の方法――ヘーゲルからマルクスへ
三 論理と歴史――経済学批判体系のゆくえとその現代的課題
四 むすびにかえて
第一一章 シュモラーとヴェーバーにおける社会科学と経済学の方法
      ――ヘーゲルとマルクスからみた両者の差異はじめに
一 シュモラーにおける経済学の方法
二 行為の理論とポスト・マルクスとしてのヴェーバーの方法
三 二一世紀社会科学の課題――関係・行為・制度そして意識の相互関連性
第一二章 大塚久雄共同体論の歴史と論理
      ――前資本制生産様式における人格的依存関係と共同体まえがき
一 前資本制生産様式の富の基本形態は共同体か?
二 マルクス『要綱』「諸形態」における共同体の位置
三 まとめ――大塚久雄とマルクス
第四篇 現代経済学批判
第一三章 生産関係制度化の論理
一 現代経済学の動向
二 制度学派の集合行為論アプローチ
三 新制度学派の費用論アプローチ
四 マルクスにおける生産関係制度化の論理
第一四章 価値論のコンフィギュレーション――市場経済の生産関係アプローチ
はじめに
一 取引価値論:制度学派コモンズの価値論
二 効用価値論:新古典派経済学源流の価値論
三 マルクスにおける商品価値概念とその展開
あとがき
第一五章 抗争的交換と可変資本節約法則の展開
      ――ラディカル派経済学の労働過程=労働市場論とマルクス
一 ボウルズ、ギンタスの抗争交換理論
二 ラディカル派エコノミストの労働過程論
三 抗争交換理論
四 論 争――批判と反批判
五 抗争的交換と可変資本節約法則
六 「理念的平均」と競争――むすびにかえて
第五篇 民主主義と資本主義
第一六章 民主主義と資本主義
一 ラディカル派経済学の代替的経済戦略
二 ボウルズ、ギンタスの民主主義論
三 ポスト・リベラル民主主義と人間発達の経済学
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