ホームへ既刊案内へ近刊案内へ著者集・シリーズへ自費出版ガイドへ本のご注文へお問い合せへ  
 
美富子の部屋へ
 

図書出版 文理閣
   周辺地図のページへ

〒600-8146
京都市下京区七条河原町西南角
TEL.075-351-7553
FAX.075-351-7560
http ://www.bunrikaku.com

   
 

清姫は語る 日本「国つ神」情念史1

日本図書館協会選定図書
 
ハプスブルク家の皇帝たち
 

平安期半ばの仏教説話集に、「紀伊国牟婁郡の悪女」として名もなく登場した一人の女性。室町期、能では白拍子・遊女の姿に、絵草子では「花ひめ」と姿をかえ、そして江戸中期、民衆芸能によって美しく高められたヒロイン「清姫」として復活する。その姿の背景になにがみえるか、この国の歴史の伏流のなかに読み解く。

第 I 部 清姫は語る―鉱床秘図
紀州の女/真砂―古代採鉱民の里/安珍と鉱の道/安珍 二重の裏切り/姉性の怒り/南紀龍蛇族/道行き熊野比丘尼/日高川と白馬山脈/釣鐘―タタラ炉は点火された/道成寺二体本尊の謎 ほか
第 II 部 清姫さんへの七つの手紙
三つのシンボルと、情念/癒しと鎮魂のシンボル〈桜〉/鐘に恨みは……/天皇の剣を奪りかえす〈大蛇〉/情念史へのヒント―蛇なる母「国つ神」をうたう田植唄 ほか
第 III 部 「清姫」への道
隠された血涙―清姫伝承の情念史的構造 初出文献『法華験記』を中心に/「清姫」という名の由来をさぐる/「鉄杖」をかざしていどむ《清姫》―能・歌舞伎の採物「打杖」が語るもの/道成寺の南面本尊と「ねずみ」/母性・姉性・妹性―「姉性」の審きと清姫 ほか
第 IV 部 悪女の系譜
イワナガヒメ―「悪女」の発生/斥けられるものの実体/「岩」女の流れ/「岩・花」統合への志向と 「娘道成寺」「清姫という名」のもつ意味/「悪女」は消えたか
〔清姫伝承の展開一覧表〕人名・地名・内容―文献による異同

津名道代(つなみちよ)
1933年(昭和8)8月21日和歌山県海草郡川永村川辺に生まれる。1943年(昭和18)12月、猩紅熱により聴力のほとんどを失う。1956年(昭和31)奈良女子大学文学部史学科卒業。専攻・日本思想史。同大文学部助手、同大学付属図書館司書。1965年(昭和40)退職帰農。傍ら文筆と塾主宰。その間、1971~83年神戸松蔭女子学院大学非常勤講師として日本宗教史を担当。1965年以降、障害者問題にも関わり、1976年からは全国難聴者連絡協議会(略称・全難聴。現・社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会)の創立に参加。広報部長兼機関紙編集長、常任理事、副会長、相談役を歴任

 

津名道代 著

四六判 497ページ 2,993円(税込)
2009年7月刊
ISBN978-4-89259-594-3